日本成人先天性心疾患学会のご案内

このたび日本成人先天性心疾患学会の理事長を拝命いたしました赤木禎治です。私は前理事長の丹羽公一郎先生と共に設立当初から本学会と共に歩んできました。当初は一部の小児循環器科医、心臓外科医を中心に症例報告を主体として行われていた研究会が、会員数増加とともに学会となり、さらに専門医制度と修練施設制度を持つ学会までに発展することができたこと本当に嬉しく誇らしいことです。これまでご尽力いただいた多くの学会会員の皆様に心から感謝申し上げます。

  我が国の人口動態、そして心臓外科の治療成績の向上を考えると、成人先天性心疾患患者さんの診療体制確立は、まだまだ十分なレベルには達していません。現時点で国内に推定50万人以上の患者さんが生活され、さらに毎年1万人近くの患者さんが新たに成人領域に達するという事実にしっかりと対応していく組織力が必要と考えています。この活動の中心となるのが、国内に約80施設認定された総合修練施設と連携修練施設になります。そこに勤務される成人先天性心疾患(暫定)専門医の方々を中心に、多領域にわたるチームワークで、成人先天性心疾患の患者さんにより良い治療や管理を受けることのできる機会を広げることができればと思います。

  日本成人先天性心疾患学会は、現在の状況で留まるわけにはいきません。今後も増加する患者さんへの医療、そしてより重症な患者さんに対する新しい医療を確立するために、幅広い領域に渡るさらなる医療スタッフが必要です。循環器内科医、小児循環器科医、心臓血管外科医、産婦人科医、麻酔科医、消化器内科、腎臓内科、精神神経科、そして看護師を中心とした多職種の方々の仲間をさらに増やし、国内の診療体制充実に貢献したいと考えています。

  成人先天性心疾患領域における教育体制の確立は特に重要です。これまで学会主催のセミナーを中心として、多くの時間をかけてきました。今後も年2回の全国規模のセミナー開催に加え、地域ごとの教育セッションを定期的に開催し、新しい医療情報そして地域診療ネットワークの確立に尽力したいと考えています。

  新たなエビデンス、より高いレベルのエビデンスも要求されます。心不全、不整脈、肺高血圧などに対する新しい治療の取り組み、新しいカテーテル治療の導入、心臓外科の長期予後など本学会に課せられた課題は多大なものがあります。会員の皆様のご協力を得て各方面にわたるレジストリー研究を積極的に進め、我が国から世界に向けて新たな情報を発信したいと思います。

  日本成人先天性心疾患学会は国際的に見ても充実した組織になりました。米国を中心としたACHDグループ、ヨーロッパを中心としたEuro GUCHとの活発な交流を続け、さらにアジア地区のリーダーとして貢献したいと考えています。Asia Pacific Society for ACHD および2019年より開始したAsia Pacific Society for ACHD Symposiumを積極的に支援し、人的交流を進めていきたいと思います。

  日本成人先天性心疾患学会の一番の目標は、すべての先天性心疾患の患者さんが安心して健康な生活をおくることができるような医療に貢献することです。学会会員の方々と一丸となって新たな目標へ進みたいと考えています。


日本成人先天性心疾患学会理事長 赤木禎治